リジッドフレキ基板④

また、新たな問題点のひとつとして、本基板ではインピーダンス制御が
必要な信号を多用しておりました。一般的なリジッドフレキ基板は、
リジッド部にガラスエポキシ材を、フレキ部には両面のポリイミド材を
使用します。熱膨張係数の異なる基材であることからスルーホールの
信頼性が劣ることに加え、インピーダンスの不連続も考えられます。

フレキ部については、一般的に片面をGNDのメッシュ構造とすることで
屈曲性を保ったままインピーダンスコントロールも可能ですが、今回の
基板では高速伝送の信号に加え、電源を複数配線する必要もあり、4層以上の
配線層確保が必要となりました。多層化することで通常フレキ材の場合は
屈曲性が損なわれるというデメリットがあり、こういった懸念事項を
あげたところ、基板メーカーサイドから基材の提案がありました。

それが「MCF-5000I」という基材です。

全面ポリミド材で屈曲性に優れた「極薄多層板」というもので、特性も
調べたところ比誘電率、誘電正接は共に低く、高周波特性も満足できる
ものであり採用の方向となりました。
但し、コスト面では量産性に向いてない為、試作品限定といった感じかと。

つづく。