2021年 11月

ホットプラグ/ホットスワップ対応について(その2)

前回に引き続き、ホットスワップ/ホットプラグ対応についての紹介なのですが・・・

今回は、弊社の失敗事例紹介です。


PCI-Eのカードエッジコネクタ部の拡大です。
・・・どこが問題でしょうか?

答えは、
「短いはずのA1端子」に、細いラインが長い端子と同じ位置まで引かれてしまっている。
です。

 

カードエッジコネクタは、抜き差しを繰り返すという特性上、接触抵抗低減を目的に、
電解金メッキを施します。
問題となった「細いライン」は、この電解金メッキ用の通電用ラインとなります。


上図は、A1端子部の拡大写真です。
折角の挿抜検出用端子が、時間差を検出できなくなっています。

 

短い端子用のみ、電解金メッキ用通電ラインを設計工程時に設けていたのですが、製造工程時に、その短い端子に誤って追加されました。

長い端子用の電解金メッキ用引き出しラインを、製造工程で付与していたのが不具合の
遠因になっていた為、今後は基板設計上で対応し、CAM出力するように改めました。

市販製品の中には、この短い端子を設けていない基板を見かけたこともあります。
使用用途上、不要なケースもありますが、規格上設定されている端子となりますので、
対応は必要かと思います。

最後に、品質上も問題無く ↓

@kitaoka

ホットプラグ/ホットスワップ対応について(その1)

今回のブログは、ホットプラグ/ホットスワップ対応について紹介させて頂きます。

ホットプラグとホットスワップ、どちらの用語も同じ意味でつかわれることが多いようです。

どちらも機器の電源が入った状態で「抜き差し・交換できる」ことを指します。

身近なもので言うと、USB機器が代表例でしょうか。
USBメモリは、パソコンが起動している状態でも抜き差し可能ですね。

なぜこのような説明をしたかと言うと、
ホットプラグ/ホットスワップ対応は、コネクタや基板上で物理的に工夫されているからです。

上図はUSBコネクタと、PCI-E基板のカードエッジ端子部分です。
よく見ると長い端子と短い端子があります。

この長さの違いがホットプラグ/ホットスワップを実現しています。

つなぐ時を考えます。
コネクタに挿入していくと、先ず長い端子部分がPCなどのHost機器と接触します。
電源が供給され、機器の準備がされます。
わずかな時間差で、短い端子が接触することで、準備された機器から
データの送受信が始まり、正常にデータの通信が始まる・・・
と言う流れになります。

取り外す際は逆の流れで、
短い端子が切断され、データの送受信が途切れます。
これを検知した機器が安全に電源切断できる準備をします。
続いて長い端子も切断されますが、準備出来ているため、
安全に電源切断される・・・と言う流れになります。

USB Type-Aコネクタでは、4本の端子があり、
長い2端子(電源とGND)と、短い2端子(データ線)となっています。

PCI-E基板では、殆どが長い端子(電源とGNDや、各種データ線)で、
短い端子(挿抜検出端子)は端の方にあるだけです。
なお、端にあるのがミソで、x16等の長い基板を抜き差しするときに、
多少斜めになっても効率良く検出できるようになっています。

少し長くなったので、今回はここまでとさせて頂きますが、
次回、引き続きホットプラグ/ホットスワップ対応について
・・・の失敗談を・・・^^;

@kitaoka