2017年 2月

バックドリルのデザインルールについて③

バックドリル加工で用いるドリル径は、ランド径より大きい為
基板設計においても、デザインルールの条件出しが必要になります。

条件出しは、基板工場の仕様に基づいて行います。
バックドリル径は「ビアのランド径+α」になり、配線クリアランスは
「バックドリル径+穴壁からの逃げ」となります。
例えば、ビアのランド径がφ0.5mmの場合、配線クリアランスは
φ1.3mm程度まで大きくなります。

また、穴深さの最低値についても条件があります。
多層基板では層間厚が薄くなり、下層側で使用できない場合が
ありますので要注意です。

NCデータは穴径、深さ、穴あけ方向の種類ごとに分けて出力する
必要があります。

つづく

@h.matsui

バックドリルの加工技術について②

バックドリルの加工技術が難しいところは、ドリルの深さ方向の
公差に加え、基板自体の厚みにも公差がある為、ミクロン単位での
精度が必要且つ、基板完成後の後加工により、基板自体としては
良品であった製品が本加工においてNG品になる可能性もあり
工場サイドにはプレッシャーのかかる加工です。

基板設計サイドの希望は、ビアスタブを完全除去ですが、上記のように
加工時に生じる公差と基板自体の歩留まりを考えれば、完全除去は難しく
トレードオフになりますが、デバッグ結果から、ある一定の層を
除去するだけでも伝送損失は軽減され、特性が改善されたとお客様より
評価を得ており、効果的な加工技術のひとつと言えます。

つづく

@h.matsui

バックドリル断面図