今回のブログは、バックドリル工法について、紹介させて頂きます。
バックドリルとは
・ビアのスタブを除去する為の工法
となります。
具体的な例として・・・
上図は、8層基板の断面図で、信号がビアを介して1層目から3層目に接続されています。
4層目から8層目のビア部分はスタブになります。
このスタブをドリル加工で除去する工法を「バックドリル」と言います。
このような工法が生まれた背景として、ビアのスタブが
・アンテナとなる為、放射ノイズの問題
・インピーダンスの不連続による伝送損失
・反射による問題
など、信号線の高速化に伴い無視できなくなった為です。
具体的な基板加工としては、積層・パネルメッキ等の一連の加工が終わった後、
スタブ部分をビアのホール径よりも大きいドリルで削り取ることとなります。
基板の厚み公差、ドリル加工での深さ方向の公差など、加工時に生じる公差と基板自体の歩留まりを考えると、完全なスタブ除去は難しく、写真の通り、多少のスタブは残ってしまいます。
なお、デバッグ結果から、ある一定の層を除去するだけでも
特性が改善されるとの評価も得られております。
思想は異なりますが、ビアのスタブを無くす手法として、ビルドアップ基板があります。
ビルドアップ基板と比較したメリット・デメリットを上げてみます。
・メリット
ビルドアップ基板に比較すると基板コストは低い
貫通ビアである為、設計は比較的容易
・デメリット
量産に向かない
高密度化には向かない(ドリル加工であるため、狭ピッチでの加工が困難)
試作や少量の製造であれば非常に効果のある製造工法かと思います。
ご興味ありましたら是非お問い合わせください。
@kitaoka