基板設計のブログ

バックドリルのデザインルールについて③

バックドリル加工で用いるドリル径は、ランド径より大きい為
基板設計においても、デザインルールの条件出しが必要になります。

条件出しは、基板工場の仕様に基づいて行います。
バックドリル径は「ビアのランド径+α」になり、配線クリアランスは
「バックドリル径+穴壁からの逃げ」となります。
例えば、ビアのランド径がφ0.5mmの場合、配線クリアランスは
φ1.3mm程度まで大きくなります。

また、穴深さの最低値についても条件があります。
多層基板では層間厚が薄くなり、下層側で使用できない場合が
ありますので要注意です。

NCデータは穴径、深さ、穴あけ方向の種類ごとに分けて出力する
必要があります。

つづく

@h.matsui

バックドリルの加工技術について②

バックドリルの加工技術が難しいところは、ドリルの深さ方向の
公差に加え、基板自体の厚みにも公差がある為、ミクロン単位での
精度が必要且つ、基板完成後の後加工により、基板自体としては
良品であった製品が本加工においてNG品になる可能性もあり
工場サイドにはプレッシャーのかかる加工です。

基板設計サイドの希望は、ビアスタブを完全除去ですが、上記のように
加工時に生じる公差と基板自体の歩留まりを考えれば、完全除去は難しく
トレードオフになりますが、デバッグ結果から、ある一定の層を
除去するだけでも伝送損失は軽減され、特性が改善されたとお客様より
評価を得ており、効果的な加工技術のひとつと言えます。

つづく

@h.matsui

バックドリル断面図

バックドリルについて①

今回のブログは、弊社で行った基板設計の技術内容について紹介させて頂きます。

皆さんは「バックドリル工法(バックドリル加工)」についてご存知でしょうか。
バックドリル工法とは、プリント基板の表層から内層信号部までのビアスタブを
ドリル加工により削り取る工法です。
ビアスタブは、伝送損失・インピーダンスの低下が起こり
またスタブ長が長くなるとアンテナとなる周波数帯が下がるという問題があり
高速信号をプリント基板で伝送するようになった昨今、ビアスタブが無視できなくなっています

この問題を解決させるための工法として、バックドリル工法という技術が世の中にあらわれ
弊社でも次世代インターフェイス評価用としてこの工法を取り入れた基板設計を行いました。

つづく

@Aragane