タグ別アーカイブ: リジッドフレキ

基材について①

今回は基材のお話しをさせて頂きます。

先ずは・・・以前紹介した弊社で作成していたリジッドフレキ基板「MCF-5000I」材なのですが、
製造中止となってしまいました。
屈曲性というメリットだけでなく、低誘電率等、高速信号伝送に向いた良い材料だっただけに
非常に残念です。

で、これだけでは記事とならないので代替材料をご紹介させて頂きます。

それが・・・パナソニック製「R-F775(コア材)」と、「R-FR10(樹脂付き銅箔)」です。

MCF-5000I材と同じポリイミド材で、誘電率等もほぼ同等です。

とはいえ、メーカーも異なりますので、100%互換というわけではありません。
インピーダンスラインの設定等は見直す必要があります。
また、MCF-5000Iに比べ少しコストアップもするようです。

「するようです」という表記なのは・・・弊社ではまだ使用実績が無い為です。

また、現状パナソニック材は入手難という問題もあります。
(台風の影響ですので、解消すると思いますが・・・)

弊社としては今後のリジッドフレキ基板の設計・製造対応はこちらの代替材を使用いたします。

興味があれば是非お問い合わせください。

@kitaoka

リジッドフレキ基板⑥

さて試作した結果は・・・結果からいうと失敗でした。

多層化に加え、インピーダンスコントロールの為に
層間厚を厚くし過ぎた為、屈曲性が損なわれるほど
板厚が厚くなっていました。

曲がるのですが、弾性が高くバネのように戻ってしまったのです。
いくら極薄多層板といえど、限度がありました。

・屈曲部の層数を減らす
・屈曲部の幅を最小限にする
・層間厚を見直す

などと言った見直しを行い基板を再作成したところ、
十分な屈曲性が得られ満足のいく製品となりました。

基板設計だけでなく製造・実装さらには基材に関する
知識の重要性に改めて気付かされました。

興味があれば是非お問い合わせください。

@kitaoka

リジッドフレキ基板⑤

採用に至った基材「MCF-5000I」ですが、メリット・デメリットを簡単にまとめます。

メリット
・リジッド部とフレキ部に同じ基材を用いる為、膨張係数が同じである為、VIAの信頼性が高い
・屈曲部の層数を増やすことが可能
・比誘電率/誘電正接ともに低く、高周波特性に優れている
・多層化できることから、インピーダンスの不連続も防止できる

デメリット
・薄い為にV-Cutによる基板加工が出来ない
・屈曲部が有る為、実装しにくい
・通常のリジッド基板と比べコストが高い

などです。
デメリット部については実装工場と連携し、外形加工方法を
工夫することで、実装時の問題点を回避しました。

コストについてはメリットが大きいことから了承頂きました。
基板設計については屈曲部で考慮する点がいくつかありましたが、
ノウハウとなるので今回は秘密です ^^;

つづく。