複数回にわたり紹介してきたIPC規格ですが、今回は基板実装に関して紹介します。
(以前紹介したカテゴリー図の黄色の規格です)
以前のブログでも紹介したとおり、製造関係も細かく規定されています。
代表的なものは、
半田付けの規定 IPC J-STD-001
実装基板の検査規定 IPC-A-610
等になります。
J-STD-001はNASAが独自の規格を終了し、採用(スペースオプションと呼ばれる分野です)
するなど、半田付けをはじめ、部品実装に関する基準として標準化され、
高度に品質確保が必要な分野にも採用されています。
また、IPC-A-610は部品実装の検査規定となりますが、
製造精度の規定がされており、基板製造と同じく、
class1 一般的な電子製品
class2 専用電子製品
class3 高信頼性電子製品
と、分けられています。
検査基準から一部(半田付け部分)抜粋してみます。
・スルーホール部品の半田上がり量
・スルーホール部品の部品面側半田濡れ量
・表面実装部品の半田濡れ幅
例で挙げた半田付けをはじめとした実装基準と、検査基準がリンクした形で
規格化されており、クラス分けだけでなく、自動車産業向けや、航空宇宙産業向けなど、
追加の高品質・高信頼性オプション規格などがあり、広く要求性能をカバーしています。
なお、弊社では英語版を入手しましたが、日本語翻訳も進められており、
今回のシリーズで紹介した規格書のほとんどは日本語版も入手可能です。
半田付けのトレーニングや検査についてのセミナーも国内で行われており、
基板実装関連ではIPCの採用が進んでいることを実感します。
また、IPC-A-610に準拠した検査を謳っている実装メーカー様も多数あり、
今後、ますます増えていくのではないかと思います。
次回につづく
@kitaoka