2022年 6月

IPC規格~基板製造編(後編)~

前回に引き続きIPC規格・基板製造編の後編として、検査基準について紹介します。
(以前紹介したカテゴリー図の青色の規格です)

2.検査基準について

プリント基板の検査基準として、「IPC-A-600」が規定されています。
この基準の中で製造精度がクラス分けがされており、
class1 一般的な電子製品
class2 専用電子製品
class3 高信頼性電子製品
と、分けられています。
同じ検査でも基準が異なれば良品・不良品に分かれますね。
様々な検査項目から少しピックアップして紹介します。

・クラスにかかわらず共通な例(基板外形)

・クラスごとに基準が異なる例①(導体間隙部分の導体残り)

・クラスごとに基準が異なる例②(ウィッキング)

このように、クラス分けにより製造精度を規定しており、
コストと品質を踏まえた良い分類・基準かと思います。

前回と今回で、2点をピックアップして紹介させて頂きましたが、
国内の基板製造メーカーで、IPC基準の検査をうたわれている
メーカーはまだまだ少ないようです。

一方海外では米国だけでなく、アジア圏でもIPC-A-600準拠や、
IPC-A-600 Class2基準と、明確に謳われているところもありました。
グローバルスタンダード・デファクトスタンダードとして基板製造
メーカーにも採用されていました。

弊社はまだ、製造・検査においてIPC基準を要求された経験はありませんが、
海外に拠点を持つ身として、強く印象に残りました。
今後の展開を考える契機となりそうです。

つづく

@kitaoka

IPC規格~基板製造編(前編)~

今回はIPC規格から基板製造に関して紹介します。
(前回紹介したカテゴリー図の青色の規格です)

前回のブログでも触れましたが、製造・実装を中心として
IPC規格が作成されていますので、内容もより濃く、
細分化して規定がされています。

・・・というわけで、製造関係については
目を通しきれていないのが現状なのですが、
その中で私が注目したのは2点あり、
1つめは基材の分類、
2つめは検査基準です。

少し長くなるので、2回に分けて紹介させていただこうと思います。
まずは基材の方から・・・

1.基材の分類について

基材の分類については「IPC-4101」という規格で規格化されています。
以前に別記事にて紹介した「FR-4材」についてもIPCでは特性によって
下記のように細かく分類されています。

左側にANSI規格、右側にIPC規格の分類番号が書かれています。
実際は、「IPC-4101/数字」という形式になります。
FR-4でもIPCの規格では複数種に分類されることが分かります。
(FR-4.0と、FR-4.1は、ハロゲンを含むか含まないか・・・
となりますが、本題とは異なりますので省略を・・・・^^;)

よく使われるFR-4材から例を挙げ、「IPC-4101/21」の該当シートから抜粋すると・・・

このような形で、具体的な数値を含めて規定されています。
Test Methodは、「IPC-TM-650」というテスト基準になり、
基材メーカーもこのテスト基準を採用してカタログ等で公開しています。

IPC規格を基準とした基材選定をすれば、昨今非常に多い、
代替材等で基材の変更を行う際に、特性の同じ基材を
選定しやすくなりますね。

つづく

@kitaoka