基材について(耐熱温度編)

以前のブログ「基材について②
で、基材の耐熱温度について記事にさせて頂きました。

今回、弊社で取り扱いのある基材を中心に、耐熱温度も交えて、改めて紹介させて頂きます。

弊社では、ガラス布基材にエポキシ樹脂を浸透・硬化させた「ガラエポ」と呼ばれる
基材を標準的に取り扱っております。
NEMA/ANSI規格で規定されたFR-4、FR-5が該当します。
(FR-1~FR-3について、弊社ではほとんど取り扱っておりません)

FR-グレードについて、基材の種類、対応するJIS規格、用途(絶縁性・耐熱性)の一覧を示します。
弊社ではJIS規格で呼称する機会はほとんど無く、「FRグレード」で呼ぶことが一般的です。

FR-4の耐熱温度は120度以上、FR-5の耐熱温度は150度以上となっており、FR-5材がより高耐熱材として規定されています。

弊社で対応可能な基材の一部ですが、具体的な耐熱温度の一覧をメーカーカタログより抜粋しました。

通常、IC等の耐熱温度がそれほど高くなく(85度~105度程度が一般的です)、基板自体にそこまでの耐熱性が要求されない為、FR-5グレードについての実績はそれほど多くありません。

特殊な事例として、「周辺温度150度」という特殊環境での使用を前提とした基板で、耐熱温度確保のために、FR-5相当の「MCL-E-679W」を採用した実績があります。

また、耐熱性ではなく高速伝送を目的として、高性能FR-4材の「CCL-EL230T」を採用した実績もありますが、こちらの事例は今後改めて紹介させて頂きます。

ガラス布基材・エポキシ樹脂(FR-4/FR-5)以外の基材例も載せてみます。

高周波・高速伝送対応基材として使用される「Megtron6」材は、「ガラエポ」ではない為、
FRグレード品ではないことが分かります。

一概に「プリント基板」と言っても、目的に併せて検討する必要がある場合もあります。
高温環境下や、高周波・高速伝送など、特殊な用途の際はぜひ相談ください。

@kitaoka