リジッドフレキ基板⑤

採用に至った基材「MCF-5000I」ですが、メリット・デメリットを簡単にまとめます。

メリット
・リジッド部とフレキ部に同じ基材を用いる為、膨張係数が同じである為、VIAの信頼性が高い
・屈曲部の層数を増やすことが可能
・比誘電率/誘電正接ともに低く、高周波特性に優れている
・多層化できることから、インピーダンスの不連続も防止できる

デメリット
・薄い為にV-Cutによる基板加工が出来ない
・屈曲部が有る為、実装しにくい
・通常のリジッド基板と比べコストが高い

などです。
デメリット部については実装工場と連携し、外形加工方法を
工夫することで、実装時の問題点を回避しました。

コストについてはメリットが大きいことから了承頂きました。
基板設計については屈曲部で考慮する点がいくつかありましたが、
ノウハウとなるので今回は秘密です ^^;

つづく。

リジッドフレキ基板④

また、新たな問題点のひとつとして、本基板ではインピーダンス制御が
必要な信号を多用しておりました。一般的なリジッドフレキ基板は、
リジッド部にガラスエポキシ材を、フレキ部には両面のポリイミド材を
使用します。熱膨張係数の異なる基材であることからスルーホールの
信頼性が劣ることに加え、インピーダンスの不連続も考えられます。

フレキ部については、一般的に片面をGNDのメッシュ構造とすることで
屈曲性を保ったままインピーダンスコントロールも可能ですが、今回の
基板では高速伝送の信号に加え、電源を複数配線する必要もあり、4層以上の
配線層確保が必要となりました。多層化することで通常フレキ材の場合は
屈曲性が損なわれるというデメリットがあり、こういった懸念事項を
あげたところ、基板メーカーサイドから基材の提案がありました。

それが「MCF-5000I」という基材です。

全面ポリミド材で屈曲性に優れた「極薄多層板」というもので、特性も
調べたところ比誘電率、誘電正接は共に低く、高周波特性も満足できる
ものであり採用の方向となりました。
但し、コスト面では量産性に向いてない為、試作品限定といった感じかと。

つづく。

リジッドフレキ基板③

この記事の基板設計テーマは「超小型化」でした。

製品サイズは既にfixされ、条件緩和は無く、回路ボリュームも
サイズ感から、見るからにオーバースペックです。

リジッド基板では、基板を複数に分割しコネクタを利用して
スタックする必要があります。しかし、容積の問題とスタック用
コネクタ配置スペースの確保自体が難しい為、リジッドフレキ基板を
採用することになりました。

リジッドフレキ基板のメリットである
・屈曲性
・基板間のコネクタレス(コネクタ+ケーブル)
を有効活用しました。

つづく

リジッドフレキ基板②

本題の前に、大きく分けて3つあるプリント基板の
種類について紹介します。

・リジッド基板PCB (800x533)

[固い]を表す[Rigid]から、柔軟性のない基材を
用いたプリント基板で、一般的に[基板]と言うと、
これを指します。
英語では[Rigid printed circuit (wiring) board]
となり、硬質が一般的な事からRigidは省略し、
頭文字を取って、[PCB]や[PWB]とも呼びます。

[Rigid]は[リジット]と表記されることもありますが、ここでは[リジッド]と表記します。

 

・フレキシブル基板FPC (800x533)

[柔軟]を表す[Flexible]から、柔軟性のある基材を用いたプリント基板で、折り曲げが可能です。
一般的に[フレキ]と言うのは、ここからです。
英語では[Flexible printed circuit board]となり、頭文字を取って[FPC]とも呼びます。

 

 

 

・リジッドフレキシブル基板MCF-5000I (800x533)

[固い]部分と[柔軟な]部分を併せ持つプリント基板で、[リジッドフレキ]や[フレキシブルリジッド]とも呼びます。

 

 

つづく

@kitaoka

リジッドフレキ基板①

今回は、リジッドフレキ基板の設計事例を紹介します。

最初に、リジッドフレキ基板(リジッドFPC)とは、
部品実装性に優れたリジッド部と、屈曲性のあるフレキ部が
一体になったもので、基板同士を接続するコネクタが不要に
なる事から製品間を繋ぐ可動部への使用や、コネクタ同士の
スタックがない事から、屈曲性を利用し制限のある製品内にも
押し込める!?といった利点のある優れた基板です。

紹介する基板は、小さい製品に組み込む基板で、
当初は、一般的なリジッドフレキ基板で検討しましたが、
フレキ部の配線数が多く、インピーダンスコントロールも
必要で、多層化した場合の機械特性(屈曲性、柔軟性)と
伝送特性に懸念がありました。

このため、基材から検討したところ、「MCF-5000I」という
通常とは異なる、今回の条件に適した基材を見つけました。

つづく

@h.matsui

バックドリル まとめ④

少し間があきましたが、バックドリルの概要について
ご紹介させて頂きました。

基板設計時の苦労話としましては、今回のバックドリル
使用箇所は0.8mmピッチのBGA内ということもあり
前述の通り対象ビアのクリアランスが大きく
ネガ層の電源、GNDが分断されて電源プレーンの確保や取り回し
リターンパス用のGNDを設けるのに非常に苦労しました。

また、基板工場におきましても、ディジタル信号の高速化に伴い
数年前までは考えられなかった多様な加工技術を有しており
机上の計算からものづくりへのプロセスにおいての
ご苦労を垣間見ました。

最後に、今後もI/Fの高速化が進む中で、ユーザーと製造メーカー
そして私たち基板設計メーカーで、より連携を図る必要があると感じました。

もちろんこのボードはバッチリでしたよ (^^)

@h.matsui

バックドリルのデザインルールについて③

バックドリル加工で用いるドリル径は、ランド径より大きい為
基板設計においても、デザインルールの条件出しが必要になります。

条件出しは、基板工場の仕様に基づいて行います。
バックドリル径は「ビアのランド径+α」になり、配線クリアランスは
「バックドリル径+穴壁からの逃げ」となります。
例えば、ビアのランド径がφ0.5mmの場合、配線クリアランスは
φ1.3mm程度まで大きくなります。

また、穴深さの最低値についても条件があります。
多層基板では層間厚が薄くなり、下層側で使用できない場合が
ありますので要注意です。

NCデータは穴径、深さ、穴あけ方向の種類ごとに分けて出力する
必要があります。

つづく

@h.matsui

バックドリルの加工技術について②

バックドリルの加工技術が難しいところは、ドリルの深さ方向の
公差に加え、基板自体の厚みにも公差がある為、ミクロン単位での
精度が必要且つ、基板完成後の後加工により、基板自体としては
良品であった製品が本加工においてNG品になる可能性もあり
工場サイドにはプレッシャーのかかる加工です。

基板設計サイドの希望は、ビアスタブを完全除去ですが、上記のように
加工時に生じる公差と基板自体の歩留まりを考えれば、完全除去は難しく
トレードオフになりますが、デバッグ結果から、ある一定の層を
除去するだけでも伝送損失は軽減され、特性が改善されたとお客様より
評価を得ており、効果的な加工技術のひとつと言えます。

つづく

@h.matsui

バックドリル断面図

バックドリルについて①

今回のブログは、弊社で行った基板設計の技術内容について紹介させて頂きます。

皆さんは「バックドリル工法(バックドリル加工)」についてご存知でしょうか。
バックドリル工法とは、プリント基板の表層から内層信号部までのビアスタブを
ドリル加工により削り取る工法です。
ビアスタブは、伝送損失・インピーダンスの低下が起こり
またスタブ長が長くなるとアンテナとなる周波数帯が下がるという問題があり
高速信号をプリント基板で伝送するようになった昨今、ビアスタブが無視できなくなっています

この問題を解決させるための工法として、バックドリル工法という技術が世の中にあらわれ
弊社でも次世代インターフェイス評価用としてこの工法を取り入れた基板設計を行いました。

つづく

@Aragane

年始のご挨拶

新年明けましておめでとうございます。

本日より仕事初めです。
今年は弊社事業の過渡期終盤でもあり、これをどう乗り越えて
新しい自分をみつけるかは、その事業内容に見合った目標を
持つことが必要です。誤った目標では何の意味もありません。

その見合った目標を見つけるには、やはり全方位への
コミュニケーションだと私は考えます。目配り気配りを
行うことでコミュニケーション能力を向上させ、成果ある
一年にしたいと思います。

本年もどうぞよろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

#元旦に初日の出を拝みに行き、素晴らしい光景でしたので
思わず写真に収めました。

2017@matsui